エタンの立体配座とエネルギー

下の図は、エタンの配座と立体エネルギーとの関係をグラフにしたものです。配座-エネルギーダイアグラムと呼びます。
ねじれ配座に比べて、重なり配座の方が1モルあたり3.0 kcal高いエネルギーにあることがわかります。
また、ねじれ配座同士、或いは重なり配座同士は同じエネルギーであることもわかります。




なぜ、重なり配座ではエネルギーが高いのでしょうか? 重なり配座では、重なった水素間距離が2.34オングストロームと非常に短くファンデルワールス反発(Van der Waals repulsion)が生じるためです。


        



ねじれ配座では、同様の水素間のファンデルワールス反発がこのほかに二箇所の合計三箇所あります。立体エネルギーはsynの位置にある水素間の反発のみと仮定した場合、重なり配座における水素−水素の立体反発は、一か所あたり.
 



 
と見積もることが出来ます。